蘇った本来の布陣
今大会では、1回戦から順当に勝ち上がってきたが、サイド攻撃を主体とするコンビネーションプレーにキレがなく、辛勝が続いていた。しかし、準決勝では前回王者の星稜(石川)をシュート数21対1と圧倒して2-0で完勝。ついに本領を発揮し、決勝戦へ弾みをつけた。準決勝で生まれ変わった要因は、自由に動かせる両翼の完全復活だ。
負傷で控えに回っていた2年生MF藤川虎太朗が先発に復帰したことで、それまで中央でプレーしていた橋本和征が本来のポジションである左FWへ移行。右FW三宅海斗との岡山県出身コンビが両翼に収まり、得意のサイド攻撃が蘇った。
「僕は田舎の出身で、最初は賑やかな雰囲気に慣れなかったから、半年くらいは、同じ岡山出身の橋本とずっと2人でいる時間が多かった。両サイドでのプレーも昔からやって来ているし、どのタイミングでクロスを上げるのか分かる。アイコンタクトの回数が多いので、やりやすい」(三宅)という2人の関係性は抜群だ。
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