パスで掴んだイニシアチブ
プレーの姿勢と質自体は、途中交代を命じられた前節のボローニャ戦も変わりはなかった。パス成功率70%と確かに低調だったが、パスは39本。出場時間65分の割には多めの数値である(対角のジャコモ・ボナベントゥーラはフル出場で45本)。
本田はポゼッションのイニシアチブを取るため多くボールに触ろうとしていたが、その姿勢はローマ戦でも活きた。前節との違いは、その最中に点に絡めたということにある。
この試合の結果次第で解任とも噂されていたミハイロビッチ監督は、会見場で明るい表情を見せていた。
「真の男たちというものは、倒れても常に起き上がるものだ。今日の最初の10分間はピンチを迎えて(GKジャンルイジ・)ドンナルンマに助けられたが、後半は相手を支配し最後まで勝ちを狙っていた。結果は残念だが、チームの団結力を見せることができた」
なお冒頭の通りこれで4アシスト目だが、このうち3アシストはアウェーで記録している。ホームから遠いと、やはりプレッシャーなどから解放される部分があるのだろうか。相手のローマも度重なる不振にサポーターがキレ気味であり、後半の乱調はブーイングに影響された印象があった。
「選手にとって、ブーイングの中でのプレーは難しいものだ。だがファンがブーイングをする時は彼らなりの理由がある。我々はプロだ。耳に栓をして黙々と努力を払う必要がある」とミハイロビッチは語った。次はホームでの信頼を取り戻したいものだ。
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