野々村さんがメディアに出るときには何を意識していますか?
――情報さえ届けば関心を持つ層はいるということですね。
「情報をうまく送り続ければ、全く関心のない層も少しずつ興味を持つようになって、だんだんコンサドーレへの関心が集まると思う。でもそこで終わりじゃなくて、その人たちをどうコアにしていくか、コンサドーレを自分のことのように考えてもらえる環境を作るか。
このクラブをもっと良くする、強くするためには、多くの人たちが協力してくれて、彼ら彼女らがよりコアになっていく、という仕組みをしっかり用意して、新しい人が本当の仲間になっていく過程を作れるといいんじゃないかという仮説のもとにいろいろなことをしていこうと思っている」
――野々村さん自身がメディアに出る、サポーターの前に立つというのも重要になるのでしょうか?
「日本ではJ1でもJ2でも優勝できるのは1チームで、昇格できるのは2チームか3チームで、それ以外は全部ダメみたいな感じでしか、サッカーを伝えられていない。
もちろん勝つことも目標にしてやるけど、今自分たちがどれくらいの位置にいて、コンサドーレ札幌というクラブがどんなふうに北海道のためになっていて…という現在地みたいなものがわからないと、関わりたいと思っても関わり方がわからない人が多いと思う。
だったら積極的にいろいろなことを伝えて、みんなが自分たちの立ち位置を理解して、『じゃあここを目指そう』となればいい。言うのは簡単なんだけど、なかなかうまくいかないんだけどな」
【了】
野々村芳和(ののむらよしかづ)
1972年生まれ。現株式会社コンサドーレ(北海道コンサドーレ札幌の運営会社、2016年1月より「北海道フットボールクラブ」より社名変更)代表取締役社長。慶應義塾大学卒業後の1995年にジェフユナイテッド市原でプロデビュー、2000年にコンサドーレ札幌へ移籍。TV番組「Jリーグラボ」などでの歯に衣着せぬ発言はサッカーファンの間でも話題。
※編集部より:北海道コンサドーレ札幌の野々村芳和社長のインタビュー原稿を不定期連載でお届けしています。野々村社長に聞きたいこと、質問などありましたらフットボールチャンネルのTwitterやFacebookなどでお気軽にお問い合わせください。次回取材時の参考にさせて頂きます。