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本田圭佑 9年前

本田への批判は正しいのか?大きな貢献度、現地記者も評価「一番ミスが少ない」

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

プレーの質は向上も…陥った悪循環

「理解に苦しむ。あのポジションでは正直何の問題も発生していなかっただろう」。一般紙『ラ・レプッブリカ』のミラン番、エンリコ・クロー記者は語る。

「本田が原因で敗れた試合ではないし、むしろ攻撃陣の中では一番ミスが少なかった。(ジャコモ・)ボナベントゥーラはミハイロビッチ監督にとって絶対的な存在になっているが、今日は今シーズンで最悪なプレーをしていた。第一、ミランは組織の体をなしておらず、守備で体を張るのは中盤の底の(リカルド・)モントリーボぐらいしかいなかった。その状態で本田をとったらあのザマだ」。

 ボローニャのロベルト・ドナドーニ監督のスタッフの中に知り合いがいたという現地記者の話では、ミランがDFラインと中盤の間にギャップが出来やすく、そこを狙おうと戦術的に準備していたという。

 後半37分に崩されたのは、本田とアバーテとの連動で守備を固められていたはずの右サイドだった。「我々が点を取りに行こうとしてやられたものだ」とミハイロビッチ監督は強弁していたが、果たしてそうだろうか。

 組織を成り立たせるために身を粉にし、単にやる気と運動量のみならず技術で展開を開こうとしていた本田の貢献は小さくなかったはずだ。もっともタイトルに見放されたことで忍耐の限界に達し、攻撃陣にはとにかくアシストとゴールを求めるファンやメディアは、そんな地味なプレーなど見ない。

 質の良いプレーをしようにも、結果が出なければ雰囲気がどんどん悪くなる悪循環。結果が欲しい。

【了】

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