「日本代表のサッカーがつまらない」と言う人が増えた。それが今回の特集を組むきっかになった。サッカーファンを対象に意見を聞いたところ、「わくわくしなくなった」「興味が薄くなった」「代表戦は見なくなった」という声が多かった。まだW杯2次予選の段階で対戦相手がそれほど強くない、ということもあるだろう。それでも、2014年ワールドカップの惨敗から停滞感は続いている。
サッカーメディアの数字を調べても、日本代表のみならず、海外でプレーする日本人選手やJリーグへの関心も下がっていると実感する。
プロ化以降、日本のサッカーファンはサッカー先進国が味わってきた喜怒哀楽を早足で経験してきた。そういう意味では、成熟の過程と言えるのかもしれない。日本サッカーには連綿とした歴史があり、スタイルもある。欠けているのは具体的なビジョンだ。いまを凋落への一歩にしてしまうのか、成長のための過渡期とするのか、まさに正念場である。なでしこジャパンを見てもわかるとおり、危機感はプレーに表れ、観ている者に必ず伝わる。再び冬の時代に逆戻りしないためにも、いま何が必要か考えなければならない。
サッカー人気に陰りが見える今こそ、足元を見つめ直し、サッカーの原点や魅力とは何かを改めて問いたいと思って今号の特集を組んだ。「サッカーはつまらない」なんて言わせない。是非ともご一読ください。