次節も先発へ。求められるピッチでの“雄弁さ”
クラブの問題の所在は率直に指摘しつつも、自らに力不足があったことは誠実に認め、関係者に釈明したとのこと。ということで今回は無問題、として収束しそうである。もっとも地元メディアがソースをじっくり確認せず本田の発言に“脊髄反射”したのは、昨年10月のクラブ批判発言の影響があったからだろう。真の意味で彼らを落ち着かせるには、やはりピッチでの活躍を通して行う他はなさそうだ。
さてそのボローニャ戦であるが、本田は前節のフロジノーネ戦に次ぎ先発で出場することが濃厚のようだ。直前の情報では、5日の前日練習でテストされた布陣は前節の布陣が踏襲されていたという。警告累積で出場停止となるアレッシオ・ロマニョーリ以外は(同ポジションにはフィリップ・メクセスの起用が濃厚)全て一緒だ。
つまり本田のタスクも前節同様。右サイドを基準としつつ、パスをつないで攻撃のリズムを作る。これまではそういうプレーを心がけてもなかなか周囲と噛み合わなかったが、フロジノーネ戦では他の選手と意思疎通が取れ、距離感も上々だった。
惜しくも外したワンツーからのシュート、そして前線にイニャツィオ・アバーテにワンタッチで正確なパスを出したアシストなどは、久々にミランで見た良い意味での本田らしいプレーだった。
当然ボローニャ戦ではその継続が求められるわけだが、次はフロジノーネとはわけが違ってくる。ホームで勇敢に勝ちを目指しオープンに戦ってきた彼らと異なり、ロベルト・ドナドーニ監督率いるボローニャは組織守備も両立できるチームだ。素早くゾーンを整え緊密にプレスを掛けてくるであろう相手に対し、クイックなパス交換と連係を演出できるかどうかが本田には要求される。
「今日のようなプレーが出来れば、本田は常に試合に出ることになるだろう」。フロジノーネ戦後、ミハイロビッチ監督はそう語っていた。
問われるのは、相手が異なっても継続的なプレーが出来るかどうかだ。メディア同様、ファンの反応も依然厳しいとは思うが、勝利に貢献するプレーでサン・シーロの空気を変えて欲しいものだ。自らの立場を最も有利にするのは、やはりピッチでの“雄弁さ”だろう。
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