今後に向けた指標となる3月の2試合
チームの土台作りと同時に「最初の1年は色んな選手を見てみたい」と語っていたハリルホジッチ監督は、最終予選に向けて30人前後に候補を絞り込むことを宣言している。
もちろんアルジェリア代表でW杯直前に19歳のベンタレブが抜擢されたように、最終予選を突破すれば新たな競争も生まれるはずだが、最終予選は“少数精鋭”で戦っていくことになる。
その意味では3月の二次予選はこれまでの戦い方を確認し、主力の選手たちがどこまで実行できるかを確認する機会であるとともに、可能性のある戦力をチェックする貴重なチャンスとなる。
もちろん、まだ二次予選の1位通過は決まっておらず、勝利が必須となるが、その2試合、さらに6月キリンカップを通して最終予選の青写真を明確にしていく作業が求められる。
テヘランで行われた9月のアフガニスタン戦を前に、ハリルホジッチ監督に周囲の厳しい評価があることをどう思うかを聞いた。するとこんな回答が返ってきた。
「このようなプロジェクトを持ったチームで仕事をするのは初めてではないですが、私が着任する時にはだいたいのところがデリケートな状況になっている。そのデリケートな状況から向上させて、発展させていかなければならない。
もちろんフットボールに関してはなかなかすぐには発展しません。多くの人はなかなか待てない。特にサポーターとメディアは早く結果がほしいと。何日かで色んなことがすぐに変わると思ってしまう人もいます」
ブラジルW杯で前評判の高くなかったアルジェリア代表をベスト16に導き、優勝したドイツを延長戦まで追い詰めたハリルホジッチ監督だが、その途中では多くの批判を浴びた。
2010年の南アフリカW杯ではコートジボワールを圧倒的な強さで本大会に導きながら、協会側の一方的な判断で解任された経験も持つ。しかし、自分のプロジェクトに自信を持ち、ブレずにチームの改善を進めていくスタンスに変わりはない。
「色んなところで批判が起きるのはノーマルだと思っています。全世界の代表監督というものはいつも批判されています。ただ、私はするべきことを分かっていますし、おそらく1年後、2年後、3年後にはまた別の話になっているのではと思います」
おそらく厳しい戦いになる最終予選でどういう戦いを見せるのか。そのための準備はすでにスタートしているはずだが、まずは3月のアフガニスタン戦とシリア戦が指標になってくる。
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