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日本代表 9年前

ハリルJ、2年目に求められる進化。16年を飛躍の1年にできるか

text by 河治良幸 photo by Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images

Jリーグでも見られ始めた変化の兆し

ハリルJ、2年目に求められる進化。16年を飛躍の1年にできるか
現体制になって初めて日本代表を経験したガンバ大阪の藤春廣輝【写真:Getty Images】

 しかし、二次予選において、変化がなかなか大量得点という結果に結びついていない。その理由は対戦相手との相性の悪さに加え、狙いと精度が不十分であることだ。

 課題が明確に表れたのが、昨年10月にテヘランで行われたイランとの親善試合だ。前半ロスタイムにPKで先制されながら、本田圭佑のクロスに武藤嘉紀が飛び込む形で同点ゴールを奪い、その後も主に速いカウンターから何度かチャンスを作った。

 しかし、相手のプレッシャーに対してワンタッチ、ツータッチのパスは精度を欠き、ミスから一気にボールを運ばれてゴール前でなんとかクリアする場面が目立った。慣れない環境ではあったものの、現在の日本が得意とするはずの攻守の切り替わりが激しい展開で、アジアのチームを相手に劣勢を強いられたことは、最終予選に向けて大きな課題を示している。

 ハリルホジッチ監督は“デュエル”と表現される、玉際の激しさ、1対1での強さにこだわり、その意識改革は選手のプレーにも表れている。

 現体制になって初めて日本代表を経験したガンバ大阪の藤春廣輝は爆発的なスピードを武器にする左SBだが、当初は守備に課題を抱えていた。

 しかし、日本代表の合宿でハリルホジッチ監督から徹底して“デュエル”の意識を叩き込まれ、所属クラブに戻ってもその意識を持ち続けた。一度は代表を外れたものの、11月の招集で復帰。

「この間も継続して、監督に言われたことを意識してやってきた」と藤春自身が語るように、サイドの守備では簡単にクロスを上げさせないよう、厳しく、しつこく寄せる守備を心がけていることがプレーからも分かる。

 さらにマイボールになるや素早く駆け上がり、チャンスと見ればSBであってもゴール前に絡んでいく意識はチャンピオンシップ準決勝・浦和戦での延長戦でのゴールにそのまま表れている。

 シーズン中に体脂肪率を意識した体質改善を求めたことには批判もあるが、日本代表での監督からの教えをクラブに持ち帰った選手のJリーグでのパフォーマンス、特に玉際のところでの変化は間違いなく起こっている。

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