鉄壁の守備陣と個の力を武器に冬の王者に君臨
大量の選手入れ替わりによって、マンチーニ監督は毎試合のように布陣を変更していく。しかしながら、早々に固定したのはセンターバックのコンビ。ミランダとムリージョだ。この2選手に加えてGKサミール・ハンダノビッチを軸にインテルは鉄壁の守備陣を構築する。
対称的に、指揮官は攻撃陣にはシステマチックな役割は与えず個々のタレントを生かす采配を選択する。ヨベティッチ、イカルディ、リャイッチ、ブロゾビッチといった選手たちの“個の力”を武器に、前半戦で合計8試合もの「ウノ・ゼーロ(1対0での勝利)」を達成。手堅く勝点3を積み上げ、クリスマス休暇を首位で終える“冬の王者”に君臨した。
フィオレンティーナ、ナポリ、ラツィオと強敵相手に3敗を喫しているインテルだが、強固な守備と個人技による攻撃は確実に勝点を計算できる戦い方だ。欧州大会がないことで、今後も大きな失速は予想しづらいだろう。エリック・トヒル会長が就任してから3季目、インテルはついにスクデット(リーグ優勝)争いの本命に舞い戻ったのだ。
若く新加入選手が多いチームの伸び代は大きく、今後さらなる連携の熟成が期待できる。とりわけ、中盤と前線のターンオーバーが上手くいっており、多くのタレントを抱えながらも出場機会に不満を持つ選手は現れていない。後半戦に向けて視界は良好だ。
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