夏の失敗のリカバリーは必須。新加入選手到来は起爆剤に
モウリーニョ前監督は少数精鋭で戦うことを好んでいたが、やはり冬の移籍市場での補強は必須だろう。
西ロンドンのチームに流れる淀んだ空気を循環させるために、新しい風を吹かせることは後半戦に向けての起爆剤ともなる。
欲を言えばGKを除く全てのポジションで選手の獲得が必要だが、冬の移籍市場でそこまで望むのはナンセンス。
2列目にはシャフタール・ドネツクからアレックス・テイシェイラ獲得が目前となっており、ひとまずこのポジションはクリア。あとはセンターバックだ。
夏の市場でジョン・ストーンズ(エバートン)やマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)らに何度もオファーを出しながら、断られ続けたポジションでもある。
不振の原因とされた新センターバック獲得の失敗だが、いまだ補強ポイントであることに変わりはない。ストーンズのようなビッグネーム獲得は至難の技だが、ガリー・ケーヒルやブラニスラフ・イバノビッチなどを冬の市場で獲得したような例もある。アブラモビッチオーナーとしては腕の見せ所だ。
最も、この夏最大の“ミステリー”でもあった謎の新加入選手パピ・ジロボジがフィットすれば別の話。しかし、ここまでチェルシーでの出場はキャピタルワン・カップで1分間プレーしたのみだ。
モウリーニョ前監督は「然るべき時に出場機会を与える」と説明したが、結局その時は訪れず。彼が良い意味で周囲の予想を裏切り、そのポテンシャルを発揮すれば解決となるのだが…。ここには過度な期待はできないだろう。
いずれにしても、この冬の移籍市場は今季限りの指揮となるヒディンク監督ではなく、フロント主導で進められるはず。夏の失敗をいかにリカバリーできるかは、どのようなシーズンのエンディングを迎えるかに大きく左右する。
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