現代版の市船を印象付けられるか
今季も快足FW永藤歩(山形入団)、主将を務めるボランチの椎橋慧也(仙台入団)と2人のプロ内定選手を擁する好チームに仕上がっている。最終ラインにはU-17日本代表の2年生DF杉岡大暉、中盤にはセットプレーからゴールを量産する技巧派MF工藤友暉らがおり、多士済々。県予選では、永藤と椎橋がともに負傷のため本調子でなく、出場時間を大幅に制限したが、流経大柏に3-0で圧勝するなど変わらぬ強さを示した。
攻撃のバリエーションを増やしながら、伝統の堅守という回帰する場所を持った市立船橋は、群雄割拠の新しい時代に再び進化を始めた印象がある。今年のチームが選手権で頂点に上り詰めるならば、戦後最多タイ記録だけでなく、近代的な攻撃スタイルを上積みしたイメージチェンジという記憶の面でもインパクトを与えることになりそうだ。
ただし、組み合わせは厳しい。まず、初戦の相手が厄介だ。米子北(鳥取)は、堅守速攻をベースにした勝負強いチーム。初戦を突破しても、3回戦で高校総体の王者・東福岡と対戦する可能性がある。
それでも、朝岡監督は「ここを勝ち上がってナンボ。相手の方が嫌だと思っているはず。今年のチームは、勘違いがなく、自分たちの力をよく知っているので、コントロールできる。派手さはないが、勝負のアヤを読んでつかむことができるチーム。今までにない選手層の厚さも出て来ているから、状況によっていろいろなカードを切れる。当然、優勝を期待されているチームだし、可能性の高いチームだと思っている」と自信を見せた。
新しい市立船橋の印象を与える6度目の優勝をつかめるか。挑戦は、年明け1月2日の2回戦から始まる。
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