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ジュニサカ 9年前

超有名校の栄枯盛衰。市船の選手権最多タイ記録優勝はなるか?

text by 平野貴也 photo by Getty Images , Hioyuki Sato

かつてとは違う柔軟な戦術

 個々の球際の強さをベースにした守備力と、セットプレーでの得点力は伝統だ。さらに、近年は、朝岡監督が注力しているパスワークを生かした近代的な攻撃も身につけつつある。練習やシーズン前の試合では、不安定なシチュエーションを多く作って、選手に対応力を求めるという指導法で個々の力を引き上げて来た。そのため、個人としてもチームとしても対応力は高い。

 今季のチームは、4バックが基本の布陣だが、遅攻になるとボランチの原輝綺が最終ラインに入り、両サイドバックが高い位置まで張り出す。逆に、県予選の決勝では相手の2トップに対して3バックで臨んでいたが、選手が相手のシステム変更に気付いて、咄嗟に4バックへ戻すというシーンもあった。戦い方に柔軟性が見られるのは、かつての時代とは違う点だ。

 攻撃の多彩さでは、2年前に石田雅俊、磐瀬剛(ともに京都)を擁して夏冬2冠を狙ったチームが優れていたが、攻撃的なスタイルにこだわったあまり2冠を逃した反省点が残された。第90回大会の勝因は、堅守とセットプレー。そこに攻撃を上積みしたことを示そうとしたばかりに足をすくわれた。朝岡監督は「勝たないと印象は変わらない。

 だから2年前にこだわり過ぎたところもある。でも、同じ轍は踏まない。負ける可能性が見えていてやらせるということはしない。勝つための最善を尽くす。結果的にタイトルを取れるかどうかは別として、チャンピオンになるための準備をする」と言い切る。

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