200億円以上を投じた今季の補強
マンチェスター・シティは読めないチームだ。
バイエルン・ミュンヘンなど強豪に勝利したかと思えば、リーグ戦で格下相手に足をすくわれることも少なくない。また、最高級の選手を揃えてはいるが、アグエロ、シルバ、ヤヤ・トゥーレ、コンパニのセンターラインの誰かが欠けてしまえば途端に弱体化してしまう欠点を抱えている。
主力への依存度があまりに高く、不安定さを露呈した昨季はリーグ戦での連覇を逃し、注力していたチャンピオンズリーグ(CL)でもバルセロナに敗れ、ベスト16の壁を突破できなかった。
今季はオフから本気の補強を見せた。リバプールからラヒーム・スターリング、ヴォルフスブルクからケビン・デ・ブルイネを獲得。2人に費やした金額は約200億円だ。またDFラインの安定感を増すためバレンシアからニコラス・オタメンディを、ヤヤ・トゥーレの負担軽減のためアストン・ビラからファビアン・デルフを獲得した。スターリングとデルフはイングランド人で、ホームグロウン制度の観点からも重要な意味を持つ補強だった。
目標は悲願のCL制覇だ。リーグ戦を軽視しているわけではないが、オーナーとなっているUAEの投資会社の視線はあくまでヨーロッパに向けられている。彼ら(そしてファンも)はベスト16という最高成績には満足していない。
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