失われた勝負強さ。CLはグループステージ敗退の体たらく
第8節アーセナル戦では開始20分で3失点というクラブ史上初の不名誉な記録付きで敗れ、第16節ボーンマス戦は昇格組相手にファン・ハール監督の不可解な采配が炸裂して敗戦。年末には3連敗を喫するなど、今季のユナイテッドはクラブの伝統でもあった勝負強さが欠けている。
第1節トッテナム戦や第13節ワトフォード戦などラッキーな勝利も多く、諸手を挙げて「ここまで安定感のある戦いができている」とは言い難い。
シュバインシュタイガーはバイエルン時代の輝きをイングランドで放つことができず、フィットに時間を要しているようだ。ユナイテッドのエースナンバーである7番を引き継いだデパイも、今のところ期待に応える活躍は見せられていない。
チームの主将でありエースでもあるルーニーもスランプに陥っており、ここまでわずか2得点。リバプール戦で眩いほどの鮮烈デビューを飾ったマルシアルも4得点とあれば、得点力不足に悩まされるのも当然かもしれない。
守備面では、一時期は最小失点だったこともあったが年末のリーグ3連敗で崩れ気味。失点シーンでは寄せの甘さや集中力の欠落がチームの不調と比例して顕著になっていった。
そして、ユナイテッドはチャンピオンズリーグ(CL)でグループステージ敗退となった事実を重く受け止めなければならない。
決して突破不可能な組み合わせではなかったはずだが、世界最高峰の舞台で体たらくが続けば敗退も無理はない。最終節のヴォルフスブルク戦のような敗戦は、アレックス・ファーガソン体制ではありえなかったことだ。
年明けからはヨーロッパリーグ(EL)を戦うが、「いまだ獲得していないタイトルだ」と苦しい言い訳を続けるようであれば、来季もまた同じ過ちを繰り返すことになる。
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