DF陣の獲得は必須。後半戦は来季への礎となるシーズンに
しかし、クロップ監督の手腕が光る試合もあった。チェルシー戦(3-1)やシティ戦(4-1)、レスター戦(1-0)などビッグゲームであってもハマれば抜群の破壊力を発揮した。
一方、歯車が外れてしまうとクリスタル・パレス戦(1-2)やニューカッスル戦(0-2)、ワトフォード戦(0-3)のように連携がチグハグになり、取りこぼす試合もまた見受けられる。
だが、クロップスタイルへの順応が進めばこういった“脱線”も減り、勝ち星を重ねていけるはずだ。
そのためにはまず何よりも守備の補強がマストの条件となる。左SBのアルベルト・モレノ、右SBのナサニエル・クラインには事実上バックアッパーがおらず、大きな負荷がかかっている。
CBは負傷者が続出しており、経験豊富な選手の獲得は必須。冬の移籍市場でこの問題を解決しなければ、後半戦途中で火の車になることは容易に想像がつく。
また、攻撃のオプションとなれるアタッカーも欲しいところ。前述の通り攻撃はコウチーニョに依存している部分が大きく、ここの層が厚くなればクロップ監督にも選択肢が増える。
いずれにしても優勝争いに絡める順位に位置しておらず、今季の目標はCL圏内となる4位を目指すのが現実的だろう。
それよりも、今季は来季のリーグ制覇に向けた礎となるシーズンと考えるべきかもしれない。選手がクロップ監督のスタイルに完璧に順応し、この冬、そして来夏の移籍市場で理想的な補強ができるか。後半戦は来季に向けての準備期間でもあるのである。
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