クロップ就任も結果は向上せず。要因は2つ
ジェラードの退団、主力選手の入れ替えなど昨季とは異なる陣容で新シーズンをスタートさせたロジャース前監督だったが、エバートンとのダービーをドローで終えたことで解任となった。
後任はドルトムントで一時代を築いた名将クロップ。その実績に疑いの余地はなく、名門の再建を託すには最高の人選だった。
だが、クロップ監督就任後のリーグ戦の成績は4勝3分3敗(第18節時点)。ロジャース前監督は3勝3分2敗であることをみれば、数字の上では成績は向上しているとは言い難い。
クロップ体制で結果が出ていない要因は主に2つ。1つは、『選手の順応』にある。
今季はフィルミノやレンタル復帰組のディボック・オリギなど初のプレミア挑戦となる新加入選手が多く、リバプールでは前所属時のようなパフォーマンスを発揮仕切れていない。
そこに、高い戦術理解度が求められるクロップのスタイルが加わったことで、フィットに時間を要することとなった。
そして、もう1つは『選手層の薄さ』である。攻撃はフィリペ・コウチーニョへの依存が大きく、代わりとなるプランBがない。新加入のダニー・イングスは負傷で長期離脱中で、エースであるはずのダニエル・スタリッジはコンディション不良が続いており明確な計算が立つ状態でもない。
守備の人員不足はより顕著だ。将来が期待されていたジョー・ゴメスは今季絶望の負傷を負い、コロ・トゥーレとホセ・エンリケは戦力外。デヤン・ロブレンは昨季からの不調からまだ抜け出せず、ヨーロッパリーグ(EL)も平行して戦うには十分な戦力とは言えない。
クロップ監督もベストメンバーを決め兼ねている中、選択肢が少ないことが結果が上向かない原因でもある。