まさかの監督交代劇。今季の目標は「残留」だったのだが…
開幕前の監督交代劇は、まるで予想外の展開だった。昨シーズン終盤に9戦中7勝を挙げて、奇跡のプレミアリーグ残留を手繰り寄せたナイジェル・ピアソン監督の求心力は高く買われていた。もちろん殊勲の存在であり、続投は既定路線のはずだった。
しかしかねてからの様々な問題行動に加えて、さらにシーズン終了後には、息子のジェームズがオーナーの母国であるタイで乱交パーティーに参加。その際に居合わせた仲間が人種差別的発言をした様子を撮影した映像が出回るなどして、ついに指揮官は6月30日に解任を告げられる。
その2週間後。7月13日に、クラブはクラウディオ・ラニエリが新監督に就任を発表する。だがこの時点で、すでにチームはプレシーズンのトレーニングを開始しており、現在主力として活躍するロベルト・フート、クリスティアン・フクス、そして岡崎慎司といった選手はすでにチームに加入していた。すなわち彼らは、ピアソンが連れてきた選手たちだった。
一方、ラニエリ監督は8月中にエンゴロ・カンテ、ギョクハン・インラー、ネーサン・ダイヤー、ヨアン・ベナルアンを獲得。自分のカラーを反映できるように、チームの補強を敢行した。
そんなチームの目標は、あくまで残留であった。それ以下でもなく、それ以上でもない。今でもイタリア人指揮官が試合後に強調するように、勝ち点40がターゲットなのであった。
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