ブラジル人には誤算も、若手が急成長
最大の誤算は生命線のブラジル人たちだった。エースとして期待されたラファエル・シルバは度重なる負傷と守備意識の低さでチームの足を引っ張り、5月に急性胆のう炎を発症して長期離脱を強いられたレオ・シルバも本来の実力を発揮できたとは言い難い。元ブラジル代表の実績を持つ新加入のコルテースもプレー精度が低く一つもゴールに絡めなかった。
一方、加藤大や指宿洋史、端山豪といった次世代を担う選手たちが夏場以降に急成長を遂げた。彼らの活躍がなければ今頃J2降格の悲しみに包まれていた可能性が高い。山本康裕や山崎亮平もチームの戦術を理解して持てる力をプレーで表現できるようになるまで時間を要した。
1stステージは散々な出来で降格候補だったが、2ndステージからフォーメーションを4-4-2に戻したことで安定感が増し、指宿のポストプレーやアタッカーの突破力を生かせるようになった。レオ・シルバが最後まで昨季のようなプレーを取り戻せなかったのは残念だが、DF陣が体を張ってカバーし、最後は降格圏と勝ち点差7ポイントをつけて残留を決めている。
【次ページ】4年間の柳下体制から、新体制へ移行する来季