危機を乗り越え、特大の宝石たちが輝きを放つ
新時代を迎えたユベントスだが、シーズン序盤は深刻な危機に陥ってしまう。
三本柱の移籍に加えて、開幕直前にビダルの後釜として加入したMFサミ・ケディラとピルロの後を継ぎレジスタ(演出家)を務めるクラウディオ・マルキージオが負傷。新加入選手を大量に抱えるチームは形を見いだせずに第6節を終わって15位に沈んでしまう。
とりわけ、今季から背番号10番を背負うポール・ポグバと新加入のパウロ・ディバラに批判が集中。ディバラの古巣であるパレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長は「アッレグリにディバラが壊される」と起用法を糾弾した。
一時はアッレグリ監督に解任の噂が報じられるも、クラブは辛抱強い姿勢を見せる。すると、11月に入ってチームの調子が一気に上向く。10月31日のトリノダービーで試合終了間際のゴールで劇的な勝利を収めると、以降はセリエAで7連勝を収める。
試行錯誤を続けた布陣も3-5-2の形で決着。アッレグリ監督はディバラと新加入のFWマリオ・マンジュキッチのコンビを選択し、11月以降は2人で9ゴール3アシストと破壊力抜群の前線を形成した。
一方の10番ポグバもチームの復調とともにパフォーマンスが向上。チームのメンタルトレーナーのアドバイスによって、背番号10番に「+7」と書き込むことでプレッシャーを半減。昨季の規格外のプレーを取り戻した。
ピッチ外ではFWアルバロ・モラタが契約を延長。レアル・マドリーへの復帰の噂に終止符を打った。ディバラ、ポグバ、モラタ、ザザ、ルガーニら極上の宝石たちを抱えるユベントスは後半戦、そして未来に向けてポジティブな空気に包まれている。
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