相次ぐ主力の離脱。可能性秘めるも停滞
昨季の序盤にはJ1首位に立った。その後は緩やかに下降したものの、チームとしてそれだけの実力を秘めているということでもある。
即戦力を加え、信頼に足る指揮官も招聘した。悲願の初タイトル獲得に向けて、体制は整ったかに見えた。だが、チームは波に乗り損ねる。開幕戦で指揮官の古巣である柏と激突した神戸。ネルシーニョ監督は19歳のブエノを抜擢するなど、相手の裏をかこうとした。しかし、柏の攻撃を止めることができず敗戦。開幕3試合で1分2敗と出遅れた。
それでも4節の広島戦で今季初勝利を挙げると、そこから7節まで3勝1分と負けなしと調子を上げてきた。しかし、10番の森岡亮太を怪我で欠くと攻撃力がダウン。さらにペドロ・ジュニオールの離脱も重なり、再び勝利から遠ざかった。
さらに夏にはマルキーニョスと監督が衝突したという報道もあった。J1通算152ゴールを挙げ、昨季は神戸で14点を決めている。このベテランストライカーの不在も大きかったはずだ。
勝ち星に恵まれない時期と連勝を重ねる時期を交互に迎えるなど、安定しないシーズンを過ごした。白星が続いているときは可能性を感じさせたが、一度負けるとなかなか停滞を脱せなかった。
結局、リーグ戦は12位に終わったものの、ナビスコカップはベスト4に進出するなど一定の成果は出した。来季、ネルシーニョ体制2年目を迎える。
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