スタイルを貫いたバルサ。信念を貫いた広州恒大
バルセロナはこの点において最たる例だ。スタイルで勝つチームをフォローしたいと願う人々に人気の高いクラブとして、自らを築き上げてきたのである。
「タイトルを獲得するだけでなく、ここでどのように成功を収めたのかというのも重要なことだ」
ルイス・エンリケ監督は、自身の選手たちがリーベルを“ティキ・タカ”で沈めた決勝戦の後でこう発言した。「サッカーのファンなら誰でも好きなクラブにタイトルを獲ってほしいと願うものだ。しかし、どのようにタイトルを手にするか、その過程が私にとってはとても重要なのだ」
「バルセロナというクラブは全てのカテゴリにおいて同じ目的を追いかけている。そうすることで、我々はレベルを上げることができるのだ」
その信念に固く立ち続けるためには、過程に自信を持つ必要がある。
「サッカーとはピッチ上で11人と11人が対戦するものだ」。広州恒大が準々決勝でメキシコ随一の成功を収めるクラブ・アメリカを倒した後、ブラジル代表のパウリーニョはこう言った。
「外部ではクラブ・アメリカが準決勝に行くとか言われていたけど、何年やってきたかもわからないぐらいサッカーをプレーしてきたから、僕はピッチ上で何が起こるのかを知っている。試合前に話をする必要はない。とにかくピッチ上でプレーすることだ」
パウリーニョを指導するルイス・フェリペ・スコラーリ監督も、クラブ・アメリカに勝利した後で似たような話題に触れている。
「バルセロナ相手に勝てる可能性を持っているという事実を、チームには信じてほしい」とスコラーリ監督は言った。「私が次に行うのはチームを納得させることだ。というのも、選手たちは可能性に気がつくからだ。バルサに勝つのは不可能なことではない、とね」
【次ページ】ミキッチが語る「同じスタイル」で戦うことの意義