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セリエA 9年前

ミラン、改革の結果は“失望”。計画性の欠如というあまりにも深い闇【欧州主要クラブ中間査定】

シリーズ:欧州主要クラブ中間査定 text by 編集部 photo by Getty Images

一言で表せば“失望”。個々の好材料は存在するも…

 前半戦のミランを一言で表すとするならば“失望”だ。

 タイ人資本家ビー・テチャウボン氏とのクラブ株式増資への合意が発表され、満を持しての大型補強を敢行したクラブだったが、チームを取り巻く重苦しい雰囲気は昨季と全く変わっていない。むしろ悪くなったと言っても過言ではないだろう。

 個々の要素を評価してみると、好材料は多く存在する。新加入の攻撃陣はバッカが8ゴール1アシスト、L・アドリアーノが3ゴール2アシストと最低限の活躍を収めた。さらにはレンタルバックで復帰したエムバイェ・ニアンも2ゴール2アシストとようやく本格ブレイクの予感を感じさせる。

 ロマニョーリも安定したパフォーマンスをみせ、16歳の“ネクスト・ブッフォン”ことGKジャンルイジ・ドンナルンマの台頭という発見もあった。新加入組で期待を裏切ったのは負傷によって長期離脱を強いられたベルトラッチ、マリオ・バロテッリのみだ。

 ミハイロビッチ監督も就任以降、確実にチーム戦術を整備。とりわけ守備陣は前任者フィリッポ・インザーギ監督に比べて大きく改善された。若手育成が得意な同指揮官らしく、上述したドンナルンマを筆頭にロマニョーリ、ニアン、DFダビデ・カラブリアを成長させている。

 それでも、チームが極めて重苦しい空気に包まれている理由は、明確な方向性の欠如にある。なかなか定まらない布陣、繰り返し報じられる監督交代の噂、中止された新スタジアム建設、株式増資も正式契約には至っていない。

 日本代表FW本田圭佑も安定性を欠くクラブ状況の中、厳しい立場に追いやられている。シーズン序盤は4-3-1-2のトップ下で起用されていたものの、クラブ体制への批判のコメントが波紋を呼ぶと、発言が直接の影響ではないものの4-3-3への変更とともに出番が激減した。

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