ぼやける2ステージ制の意義
Jリーグが産声をあげた1993年シーズンから今シーズンまでで、2ステージ制のもとでJ1が開催されたのは12回ある。微調整が施された後のチャンピオンシップの大会方式に当てはめると、出場クラブ数が「3」だったシーズンが10回、「4」が2回で、最大の「5」となったのはゼロだった。
1999年シーズンは年間総合勝ち点の1位から3位までを清水エスパルス(セカンドステージ優勝)、柏レイソル、名古屋グランパスが占め、ここにファーストステージ王者のジュビロ磐田が加わる。
翌2000年は両ステージで優勝争いに加わりながら、頂点に手が届かなかったレイソルが年間総合勝ち点1位を獲得。ジュビロが2位、セカンドステージ覇者の鹿島アントラーズが3位に入り、ここにファーストステージを制した横浜F・マリノスが加わる。
いずれにしても、両ステージの優勝クラブが年間総合勝ち点で3位以内に入らないケースが起こる確率は、統計的には16.67%とかなり低い。つまり、年間総合勝ち点の上位3クラブにチャンピオンシップのシード権を与えた時点で、2ステージ制を継続する意味がぼやけてくる。
2014年シーズンまでの同様の1ステージ制に戻した上で、上位3クラブがあらためてチャンピオンシップに臨む。プロ野球のクライマックスシリーズと同様の形としたほうがより簡素化されるが、村井チェアマンはブリーフィングの席で、今後数年間は2ステージ制を継続させると明言している。
「微調整やチューニングはあってもいいと思いますけれども、2ステージ制をやめるというのは、1回だけの検証では足りないと私は思っています。いろいろとチューニングをしながら複数年をかけてやってみて、2ステージ制の在り方がいいかどうかは、その次のステップで議論していきたい」
Jリーグの実行委員を務めるJクラブの幹部から、11シーズンぶりに再導入された2ステージ制について「正直言って、自分たちも正しいとは思っていない」という言葉を聞いて驚いたことがある。