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Jリーグ 9年前

柏、ACL8強もリーグは中位止まり。育成で実績残した吉田体制は1年でピリオド【2015年通信簿】

シリーズ:2015年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images

ACLはベスト8、リーグは…

柏、ACL8強もリーグは中位止まり。育成で実績残した吉田体制は1年でピリオド【2015年通信簿】
ACLでは武富孝介が活躍を見せた【写真:Getty Images】

 柏の今季最初の公式戦は2月17日。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)本戦出場をかけたプレーオフで幕を開けた。この試合でタイのチョンブリFCに勝利すると、ACL本戦でも好調を維持。

 G大阪、鹿島、浦和が苦戦を強いられる中、柏は順調に勝ち点を重ねていった。結局3勝2分1敗とグループ首位での決勝トーナメント進出を決めた。ちなみに、唯一の敗戦となった最終節のビン・ズオン戦だが、柏は主力を温存して臨んでいた。

 2013年にも準決勝進出を果たすなど、柏は対アジアを苦にしていない。また2011年にはJリーグ王者としてクラブW杯に出場し、ブラジルの名門サントスと対戦するなど世界を経験している。柏は海外チームとの戦いに怯むことがない。

 一方、J1では思うような結果が得られない。吉田監督のもと『ボールとスペースを支配するサッカー』を追求してきた。アカデミー出身者も多く、吉田監督の要求に応えられる選手は揃っていた。しかし、この戦術をうまく機能させられず、1stステージはわずか4勝しか挙げられず14位に沈んだ。

 2ndステージでは広島を3-0で粉砕するなど3連勝を2度経験した。それでも、浦和やG大阪、FC東京といった上位陣にはことごとく敗れ8位止まり。年間10位でのフィニッシュとなった。

 そしてACLでは、後に大会を制することになる広州恒大に屈した。ブラジル代表MFパウリーニョにスーパーゴールを決められるなど、アジアを席巻する中国のビッグクラブに敗れた。

 アジアのベスト8に入ったことは評価されるべきで、国内リーグに目を向けても柏の持ち味が発揮された試合もあった。選手個々の活躍も見られ、特に武富は吉田サッカーの重要なピースとして能力の片鱗を示した。

 とはいえ、いくらACLである程度の結果を出せるとしても、J1の上位に入るか天皇杯を獲らなければそもそも大会に出場する権利を得られない。その意味では、中位に甘んじた今季の成績が失敗と捉えられても仕方ないといえる。

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