すでに昨季と並ぶ47得点。得点力が大幅に向上
トーマス・トゥヘル監督の下で新体制となったドルトムントの最大の変化はショートカウンタースタイルからポゼッションスタイルへの移行だ。クロップ監督時代には50%以下となることが多かった支配率が今季は60%を超えることも少なくはない。
そのポゼッションスタイルを確立するためのキーマンとなったのが香川真司だった。
香川は、クロップ監督の下ではトップ下のポジションで主にセカンドアタッカーとしての役割を担っていた。しかし、トゥヘル監督は香川のポジションをギュンドアンと並ぶ左インサイドハーフに変更。従来よりもやや下り目に位置することによって、より多くボールに触れることとなり、得点よりもチャンスメイクに比重を置く選手へと変わっていった。
その香川ら中盤のチャンスメイクを勝ち点に結びつけたのがFWピエール=エメリク・オーバメヤンの爆発的な得点力だ。
本職がウイングながら昨シーズン後半からセンターFWとして起用されていたが、今季はその力が完全に開花。より多くボールを持ちチャンスを作り出すドルトムントの中で快速を武器に開幕からブンデスリーガで8試合連続ゴールを決めるなど得点を量産。ここまで公式戦27試合で27ゴールを記録し、リーグ得点ランクでも18得点で首位に立っている。
その結果、チームの得点力は大幅に向上。前半17試合の総得点はリーグトップの47点を数えているが、昨季は34試合の総得点が47点。今季はすでに並んでいる。
このドルトムントの復活には新戦力も大きく貢献している。ユリアン・ヴァイグルだ。
若干20歳のヴァイグルは負傷欠場した15節ヴォルフスブルク戦を除いて全ての試合に出場。アンカーとして指揮官の絶対的な信頼を勝ち取り、ドルトムントにとって誰よりも重要な選手となった。
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