J1で示した湘南スタイル
湘南が可能性を示したのは開幕戦。優勝候補の浦和を相手にいきなり熱戦を演じる。素早い攻守の切り替えから攻撃に転じると、24分には6人がゴール前へ殺到。得点にはならなかったが、インパクトは大きかった。試合は1-3で敗れたものの、湘南はJ1でもやれる、と多くの人が思ったに違いない。
翌節のアウェイでの鹿島戦では、後半アディショナルタイムに決勝点を奪って勝利。これは20年ぶりの快挙だった。
1stステージを6勝4分7敗で終えた湘南の戦いぶりは、2ndステージに期待を持たせた。だが、全チームと1度対戦して迎える2ndステージは、湘南のサッカーもある程度研究されてくる。
そんな中で曹貴裁監督の率いる野心的な選手たちは、7勝5分5敗で後半戦を乗り切った。負けの数を減らし勝利数を伸ばしたことは、相手の研究の上をいくパフォーマンスを見せたからこそだろう。
課題は先制された試合をいかに勝ちに持っていくか。2nd第8節の川崎戦こそ、開始早々に失点を許しながらそこから逆転して見せたが、試合をひっくり返すという点については、課題の残るシーズンとなった。
それでも、一人ひとりがハードワークして90分を戦い抜く姿は人々の胸を打つものがあった。味方のためにスペースを作り、懸命な帰陣でピンチを防いだりと、フォアザチームの姿勢を貫いた湘南スタイルは、J1の舞台でも間違いなく通用した。
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