指揮官にも伝わっていた明確な変化
試合後の記者会見。筆者は好調のウジョアを外して岡崎を起用した理由を指揮官にぶつけた。すると、岡崎が話していた言葉とあまりにも重ねっていたことに驚かされることになる。
「練習の時から非常に調子がスマートだった(良かった)し、前線でのスピードを生かしたかったからウジョアに代えて岡崎を先発で起用した。PKも獲得してゴールも奪い、90分間を通じて脅威の存在だった」
ラニエリ監督の目は真剣そのもので、岡崎のプレーに満足しているのは一目瞭然だった。そして少し遡って前述の場面。岡崎は次のように続けている。
「(ゴールを決めて)どうしたもこうしたも、俺は元々そういう選手。でもそれを忘れられがちだった。ハードワークが植えつけられ過ぎて。ある意味変えるチャンス。今はハードワークしても『岡崎はこのぐらいできる』と思われている。逆にそれを捨てたとしても前に行く。今日も前に行くハードワークを多くした」
3試合ぶりの先発出場だが、8月以来およそ4ヶ月ぶりのフル出場に、試合後の岡崎は疲弊しきっていた。充足感より疲労感のほうが目立ったが、その表情には確かな手ごたえをうかがえた。
プレアリーグに冬休みはないが、岡崎が後半戦に向けて確かな自信をつかんだのは間違いない。折り返し地点を間近に控え、プレミア1年目ながら、さらなる飛躍を期待していいだろう。
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