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ドルトムントは、まだドルトムントの限界を知らない。後半戦へ向けた進化の兆し

text by 本田千尋 photo by Getty Images

シャヒン×ギュンドアン×香川。中盤に新たな可能性

 またドルトムントの進化の萌芽は、CBとしてのスベン・ベンダーにも見て取ることが出来る。もともとベンダーは6番として中盤の底でボール奪取に能力を発揮するタイプの選手だが、トゥヘルは前半戦の終盤にかけてCBでの起用を推し進めた。アジリティではソクラティスが勝るが、ビルドアップではベンダーが勝る。また、最後のところでベンダーも体を張ることができる。

 5日の対ボルフスブルク戦の11分に少し見ることができたが、ベンダーからのロングボールといった形も、トゥヘルは取り入れようとしているのかもしれない。ペップ・バイエルンではボアテングが得意とするところだ。ポゼッションを詰めていくために、後方からのビルドアップも磨かれていくことになるだろう。

 前半戦で出場機会に恵まれなかったスボティッチ、ホフマンといった移籍の噂のある選手もいるが、冬の移籍市場でBVBが積極的に動くことはなさそうだ。後半戦に向けてエリック・ドゥルムとヌリ・シャヒンは本格的に復帰する予定である。ロイスもコンディションを整えてくるだろう。

 特にシャヒンの復帰は重要になる。中盤の組み合わせでは、シャヒン×ギュンドアン×香川真司という新たな可能性が生まれる。

 シーズンが開幕したばかりの頃、香川は、楽しさや嬉しさを感じながらプレーできていると語っていた。冬季合宿を通して、香川も含めてチームがもう一度メンタルをリフレッシュして更新することができれば、後半戦から再びBVBの快進撃が始まるはずだ。

【了】

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