守備は強固でも…得点力に欠ける
堅い守備は今年も健在だったが、ひとつ大きく欠けていたのは得点力だった。二桁得点を達成した選手は1人もおらず、新戦力のアデミウソンの8ゴールがチーム最多。1トップとして起用される機会の多かった伊藤翔も期待に応えたとは言い難い。
モンバエルツ監督はシーズン終了後に「前線にもう少し力があれば、あと4つか5つは勝てたはず」と漏らした。それもそのはずで、2ndステージに10試合無敗を続けられる実力がありながら大事なところで勝ち星を逃していた原因は明白だった。
またシーズン前半に中村俊輔を欠いたのはあまりにも大きな痛手だった。すべての攻撃で起点になるキャプテンがトップ下でタクトを振るようになってから周囲の選手の動きが見違えるようになったのがその存在の大きさを示している。
常に「何かが足りない」という状態でプレーし続けたシーズンだったと言えるだろう。新監督の1年目は決して失敗でなく、将来に向けたベースがしっかりとできあがるというポジティブな成果も出ている。
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