勝利なら来季のACLへ大きな自信に
また広州はパウリーニョやグラール、ファン・ボウェン、クラブ・アメリカ戦で殊勲のゴールを決めたジェン・ロンなどシュート力のある選手が揃っており、バイタルエリアであればブロックの手前からでも果敢に打ってくる。セービングに定評のあるGKの林卓人も常に準備しておきたい。
攻撃におけるそれぞれの得意な型を持ちながら、押し込まれた時間でも粘り強い守備から一瞬の隙を突いてカウンターを狙える両者だけに、90分を通して息の抜けないスリリングな試合になるはず。広島には浅野拓磨、広州にはガオ・リンという強力なジョーカーもいるだけに、選手交代も勝負のカギを握る。
タレント力の部分で広州が上回るが、広島も自分の役割をしっかりこなしながら周りのサポートもできる選手が揃っており、組織を含めた大きなチーム力の差は無いと筆者は見ている。ただ、名将に率いられ、ACLを戦い抜いてアジア王者に輝いたチームだけに、今年の広島らしく隙を与えずに隙を突くことはそう簡単ではない。
だが、この試合で耐えるところは耐え、攻めるところは攻め、勝機を逃さない広島の戦いぶりでアジア王者を上回り、クラブW杯の3位に輝くことができれば、ACLに向けて大きな自信を得る勝利となる。同じくACLで戦うJリーグのライバルたちにも刺激になるはずだ。
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