元ブラジル代表ロビーニョの起用法は?
この3位決定戦に勝利すればアジア王者の称号を得られるわけではないが、広州恒大に直接勝利すればアジアの頂点に立てる資質を示すことができる。
森保監督もスコラーリ監督も相手によって基本システムを変えるタイプではないため、これまで通り広島は3-4-2-1、広州は4-2-3-1だろう。その中で互いの前線と最終ライン、中盤、両サイドの噛み合わせでポジショニングによる駆け引きはかなり生じてきそうだ。
広島は千葉和彦が累積警告で出場停止、広州はご存知の通り、バルセロナ戦で左SBのゾウ・ジェンが骨折の重傷を負い、これまで守備で効いていた選手を欠くことになる。広島は佐々木翔が中央に入り、左に水本裕貴を起用する形になることが予想できるが、エウケソンの自由を奪いながらリカルド・グラールを中心にワンツーでバイタルエリアを突く動きを警戒したい。
逆にバルセロナ戦でゾウ・ジェンに代わり左SBに入ったリ・ハンシャオは攻撃性能に優れるが、守備対応に難がある。本職が右SBの中国代表DFメイ・ファンを左で起用してくる可能性もあるが、広島の右ウィングバックを柏好文あるいはミキッチが同サイドから積極的に仕掛けることで広州の守備を崩せる可能性は高まるかもしれない。
広州の布陣に関してもう1つポイントになるのが、広州が左ウィングにACLは未登録だった元ブラジル代表のロビーニョを使ってくるのか、バルセロナ戦と同じくジョン・ロンを配置するか。というのもロビーニョは卓越した個の打開力を持つものの、運動量が少なく守備の参加も限定的だ。
そのため広島としてはドリブルをしっかりケアしながら、ロビーニョと左SBの間に生じるスペースをうまく使えば高い位置に起点を作りやすい。左SBにも不安があることから機動力の高いジョン・ロンを起用してくる可能性も十分にあるが、ロビーニョが出てくれば攻守の裏表の部分が1つのポイントになることは間違いない。