伊杯で見せた粘りとパワー。失地回復はなるか
もっともチームも、本田を外したところで問題は解決するどころか、どんどん悪化して今の状態がある。つまりその苦境の中で本田が結果を出せば、序盤の評価を覆すことにもつながる。
サンプドリア戦は、前線でフリーになっていたカルロス・バッカに的確なパスを出し、追加点をお膳立てした。肝心なのはその一つ前のプレーで、ハイボールを呼び込みパワープレーからボールキープに成功したことだ。
選手の距離感は遠くパスは期待できないが、自らには単独でボールを運べるスピードまではない。ただこのようしてボールを引き出せば、相手ゴール前へ深く速く攻め入るというチームのコンセプトに沿うことができる。サンプドリア戦では、25分少々の時間で3度こういった形でボールを引き出し、その一つを得点につなげた。こういった粘りとパワーを利したチャンスメイクに希望を置きたい。
戦力は潤沢でなく順位も低いフロジノーネだが、試合内容はアグレッシブ。勇敢に高くラインを保ち、サイドを繋いで攻めてくる。ホームスタジアムであるマトゥーザの収容人数は少ないが、スタンドが近くファンも熱狂的なので、鬼門として恐れられている。
身体面でも精神面でもタフネスが問われる試合で、ボールを縦に引き出し力強くチャンスメイクができるか。失地回復に挑む本田のガッツに期待したい。
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