指揮官が挙げる課題
ただこの会見中、ミハイロビッチ監督はチームの課題として次のようなことを挙げていた。
「我々はチャンスの数ではリーグ4位だが、枠内シュートの数では12位から13位に下がる。つまりフィニッシュワークの質が良くないということだ。コンパクトな守備組織を維持しつつ、組み立てやラストパスなど攻撃の精度をもっと上げなければならない」
本田に任せるか、それともボナベントゥーラやニアンを強行出場させるか。監督の判断の瀬戸際は、ニンジャがサムライがどうのこうのではもちろんなく、ゴールにつながるチャンスメイクという点で本田に確信が持てるかということだ。
シーズン序盤、トップ下で結果を残せていなかった本田について指揮官は「ゴール前での危険性で物足りなかった」と語っており、定位置を外されたのも結局それが理由となってしまった。コッパ・イタリア4回戦のクロトーネ戦では、セリエBのクラブ相手であってもチャンスが作れず、ファンからの強烈なブーイングを浴びた。
得点を演出したくても、トップ下で動いたところにまともに縦パスをつけてもらえなかったという悪条件はある。だがそんなエクスキューズはどうあれ、本来のポジションでありながらゴールやアシストという形で結果を出さなければ、スタメンから切られるのはプロとして仕方のないところでもあった。
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