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本田圭佑 9年前

本田、失地回復のチャンスすら来ず。勝利厳命の指揮官、信用ない“主力外”起用の理由なし

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

勝利厳命の指揮官、控え組テストの余裕なし

本田、失地回復のチャンスすら来ず。勝利厳命の指揮官、信用ない“主力外”起用の理由なし
ミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督【写真:Getty Images】

 まずは、本田を含む“主力外”の選手たちに対して、信用がないからだ。本田が最後に先発した4回戦のクロトーネ戦ではチームとして拙攻が続き、温存していたボナベントゥーラやエムバイエ・ニアンを引っ張り出す羽目になってしまった。

 今回の相手は、現在絶不調とはいえクロトーネより格上のサンプドリア。格下相手に通用しなかったものを出す理由はないわけで、本田にとってはそこを厳しく見られた、ということになる。

 その次にはミハイロビッチ監督自身が、勝利を厳命されるナーバスな状況にあることが理由として挙げられる。とりわけ今週話題となっていたのは前節のエラス・ベローナ戦でドローに終わったことと、シルビオ・ベルルスコーニ名誉会長が「失望した。チームは少しも息が合っていない」と側近に漏らしたことがニュースになっていたこと。

 毎週、メディアから何かしら問題を焚きつけられて機嫌の悪くなるミハイロビッチは、とうとう「会長の発言は読んでいない。試合に関係ないことはしゃべらない」とまで言うようになってしまった。

「フロントの確執など、メディアは事実でないことを書いている」とミハイロビッチは語っていたが、そういう時クラブの幹部側からは否定発言などは出てこない。こういった有言無言のプレッシャーの中、勝利を優先し控え組をテストする余裕はないのだろう。

 果たして、この序列をどう崩したらいいのか。「彼は、私を(選手の選択で)悩ませるためには何をしたらいいのかわかっていると思う」とミハイロビッチ監督は言ったが、本田自身はどう認識しているのだろうか。

 とりあえず途中交代からでも、せめて突きつけられている課題のクリアは見せて欲しいところだが…。

【了】

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