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香川真司 9年前

ドルトムントが見せた“大人の”勝ち方。「忍耐力」で難敵を下す

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川の「動き」がもたらした相手DFの混乱

ドルトムントが見せた“大人の”勝ち方。「忍耐力」で難敵を下す
アウグスブルク戦の2ゴール目をアシストした香川真司【写真:Getty Images】

 試合は後半に動き始めた。56分、アウグスブルクのボバディージャが裏に抜け出しチ・ドンウォンのパスを受けるが、GKビュルキとの1対1を制することが出来ない。アウグスブルクのヴァインツィール監督が言う「ビッグチャンス」をホームチームが逃すと、ゲームの流れはドルトムントに傾いていく。

 58分からラモスに代わって途中出場した香川は「スペースが空き出してきていた」と振り返る。トゥヘルも「後半、我々はより多くのスペースを見つけることができた」と言う。

勢いと自信を持ってドルトムントに挑んだアウグスブルクも、後半に入ってエネルギーが落ちてきていた。敵の体力と集中力の低下は、フンメルスも指摘するところだ。

 61分、ピシュチェクの右からの折り返しをオーバメヤンがダイレクトで叩き込む。BVBが先制し、1-0。

 66分、香川からのパスを受けたムヒタリヤンが、ドリブルからゴールの右に流し込んだ。これで2-0。この場面、香川はムヒタリヤンにパスを入れて、ゴール前に走り込んでいた。

「動きを加えて、変化を加えないといけないと思っていました。動くことで相手が釣られるので、そういうところでちょっとした違いを作ってあげないと、相手がなかなか崩れないとは思っていたんで、それが上手くゴールに繋がって良かったと思います」

 この2ゴールにより、ドルトムントはアウグスブルクを2-0で下し、DFBポカールのラウンド8進出を決めた。

 敗れたアウグスブルクのヴァインツィール監督は「満足してはいない。打ちのめされてしまったからね」と言葉を残した。パルチザン戦、シャルケ戦に続く3度目の奇跡、とまでは行かなかったようだ。

 BVBの前半の忍耐が、後半に実を結んだ試合だった。

【了】

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