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サッカー右翼とサッカー左翼 監督の哲学で読み解く右派と左派のサッカー思想史

text by 西部謙司

右から見るか、左から見るか…サッカーの見方の新機軸!

“左翼”のサッカーはなぜ美しくも勝負弱く、“右翼”のサッカーはなぜ勝つけれどつまらないのか?

 極右のモウリーニョやシメオネに対する極左のグアルディオラやバルセロナ、オシム…。右派的なサッカーが好成績を収める日本代表で、極右のハリルホジッチは成功できるか!?

 サッカーの世界は右と左で分断されている。アルゼンチンの名将メノッティはかつて、「右翼のフットボールと左翼のフットボールがある」と喝破したように、実際の思想とは関係なくピッチで行われるサッカーは勝利至上的な右翼のサッカーと理想主義の左翼のサッカーという大きな傾向のなかで競争し、ときに憎しみ合いながら進歩してきた。

 本書では、右翼的なサッカーと左翼的なサッカーという視点でサッカーの歴史を振り返るとともに、さまざまな監督を右と左に分類しながら、そのサッカースタイルも紐解き、読者自身のサッカーにおける志向が右なのか左なのかさえも考えていく。

◆右翼的サッカーの傾向
…勝てば何でもいい。勝利至上。基本、破壊者。守備から入る。軍隊的。フィジカル重視。つまらないと評される。アクション映画的。

◆左翼的サッカーの傾向
…勝ち方にこだわる。ロマン。基本、創造性重視。勝負弱い。モチベーション。恋愛映画的。反対的でレジスタを生む。

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