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香川真司 9年前

ポゼッションの中心に香川。対戦した日本人選手の言葉で振り返るドルトムントの強さ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

してやったりの酒井高徳。ドルトムント撃破の方法とは

ポゼッションの中心に香川。対戦した日本人選手の言葉で振り返るドルトムントの強さ
酒井高徳【写真:Getty Images】

 試合後に武藤は、自身の個人戦術について多く言及し、チーム戦術については「今、足りないのはカウンターの質」といったことを語るに留まった。少し拡大解釈になるが、武藤も潜在的にドルトムントに対してカウンターが有効であることを感じ取ったのかもしれない。

 では、どのような戦術こそが、ドルトムントに対して有効なのか。

 引いてカウンターを狙った3チームと、いつも通りのスタイルを貫いたマインツの中間のような戦略を取ったのが、ハンブルガーSVである。そしてこれら日本人選手所属の5チームの中ではHSVが、ドルトムントに対して勝利を収めた。

 試合後に酒井高徳が言うには、HSVは「ラインをうまく高く持って、両SHをなるべく下に下げないように」戦ったのだという。チームとしてコンパクトに守り、引きすぎない。相手のCBにプレッシャーを掛け、高い位置を取る両SBの裏をカウンターで狙う。狙いは上手くハマり、HSVはドルトムントに3-1で勝利した。酒井は、してやったりの表情だった。

 対戦した5人の話を総合すると、今季のドルトムントに付け焼き刃は通用しないが、覚悟を決めて戦略を立てて前に向かえば、可能性はあるといったところだろうか。

 圧倒的な破壊力を有しながら、意外な脆さも秘めている。それが今季のドルトムントの強さと言えるのかもしれない。

【了】

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