スタイルを貫いたマインツも
ハノーファーは18分に清武を経由してソビエフがゴールを決め、フランクフルトは7分にマイヤーが先制した。いずれもカウンターからの得点である。試合前に立てた戦略が実を結びながら、しかし清武はこうも感じていた。
「今シーズンのドルトムントは、先制されても取り返す力はすごくある」
フランクフルトの長谷部も、似たようなことを感じ取っていた。
「先制点を取るまでは良かったかもしれないですけど、ただ、やっていてもいつかはやられるのかなっていう雰囲気はあった」
カウンターに徹して戦った原口、清武、長谷部の3者の言葉を総合すれば、ドルトムントに対して「引いて一本裏」を狙うという方法は、有効打にはなりうるが、最終的には力で押し切られてしまう、といったところだろうか。
90分間のトータルで考えた場合、ドルトムントに対してカウンターは有効なのだろうか。
そこで引っかかるのは、原口の次の言葉だ。
「しっかり今まで通り自分たちの戦い方で、だったらどうなったのかな、というのも少し気になります」
いつも通りのヘルタのスタイルでドルトムントと戦ったら、どんな結果が生まれていたのか。原口は、少し気になったようである。
マインツは、いつも通りのスタイルでドルトムントに挑んだ。ハードワークとハイプレスを惜しまず、ボールを繋ぐ。マインツ戦を香川は「難しいゲームでした」と振り返っている。
「相手が凄く上手く守って、プレスをはめ込んできました」と話して、「上手くポゼッションされていた」と果敢に挑んできたマインツのことを「強かったですね」と認めている。それでもマインツは0-2で敗れ去った。スタイルを貫くだけでは、ドルトムントに勝つのは難しい。