判定に泣かされたミラン。しかしメディアに同情はなし
「基本的に、私は審判団の批判をしなかった。だがここまでひどいとさすがに看過できない。同じ主審から、我々はフィオレンティーナ戦でもひどい目にあわされた。正当なゴールが2度取り消され、明らかなPKに繋がるファウルも見逃され、どうやって勝てるのか?こんな調子で今後も続けられては困る。私は物分かりは良いつもりだが、シリに蹴りを入れられて黙っているほどお人好しでもない」
ドローに終わったエラス・ヴェローナ戦後、ミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督が記者会見で珍しくジャッジを批判した。
カターニア時代(2009/10シーズン)を取材してからも相当経つが、この人が確かに会見で審判団を批判したことはなかった(もっとも試合中に激昂して退場になることは少なからずあったが)。疑惑のシーンのリプレイを見直しても、監督の言うことは確かに筋が通っていることがわかった。
ただ翌日の地元紙が「判定に屈したかわいそうなミラン」という論調にはならなかった。相手がビッグクラブならいざ知らず、勝利が厳命される格下のヴェローナだ。メディアはチームを批判し、そして監督の主審批判も言い訳と切って捨てた。
「小さなディアボロ(悪魔、ミランの愛称のこと)。だがミハイロビッチは主審に反感を抱く」(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
「ミランは全然勝てず、トーニも彼らを止めた。ミハイロビッチよ、シルビオ(・ベルルスコーニ名誉会長)は何と言うだろう」(コリエレ・デッロ・スポルト)
著名紙のある番記者は「ミハイロビッチは主審を批判したが、ミランがひどい内容を晒したことの言い訳にはならない」とツイートしていた。
「前半のうちに5回決定機は作ったし、後半も10人だったのに相手に危険をもたらしていた。我々がやれることはやった」と監督は語っていたし、実際にヴェローナの20歳GKピエルルイジ・ゴッリーニは素晴らしいセーブを見せていた。