1stステージ無敗優勝が光る
アジアチャンピオンズリーグでは苦杯を舐めたが、リーグ戦ではスタートから違いを見せつける。安定したビルドアップから攻撃時に4-1-5になる独特の布陣で鮮やかにゴールを奪う姿はそのままに、泥臭さや勝負強さが加味されたチームは1stステージを無敗で駆け抜け優勝を手にした。
戦力に見合う結果を残す中で、いい意味での驚きを与えたのが武藤だ。仙台時代からスピードが魅力のアタッカーだったが、得点数は4年間で6と、点取り屋タイプではなかった。しかし、シャドーの一角に据えられるとペナルティエリア内での能力が開花。サイドからのクロスにワンタッチで合わせてネットを揺らせば、興梠慎三ら前線の選手とも好連係を確立させレギュラーポジションを奪取した。日本代表にも選出され、8月の東アジアカップでも得点も挙げた。
1stステージの優勝でチャンピオンシップ出場権を獲得したことによる慢心があったとは思えないが、浦和は2ndステージ序盤に躓く。開幕戦こそ勝利したが、その後は2連敗を含む4戦勝ちなしと波に乗ることができなかった。最終的には同ステージを4位と決して悪くはなかったが、前期に見せた勝負強さは影を潜めた。
そして迎えたチャンピオンシップ準決勝。埼玉スタジアムでG大阪と激突した浦和は、一度は同点に追いつくも延長後半終了間際に連続失点を喫し敗れた。シーズンを振り返れば浦和は間違いなく強者の部類入るが、目標であったリーグ制覇を今季も逃す結果となった。
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