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香川真司 9年前

フルスロットルで――。自信を取り戻したドルトムント。香川のアシスト生んだ「イメージの共有」

text by 本田千尋 photo by Getty Images

逆転は「時間の問題」。自信を持っていた香川

 しかしフランクフルトの監督アルミン・フェーは、ベンチに座ったままだった。身じろぎもせず、喜ぶこともない。試合は始まったばかりだった。早い時間帯の先制に成功したからといって、BVBの攻撃のクオリティが衰えることはない。

 長谷部は吐露した。

「先制点を取るまでは良かったかもしれないですけど、ただ、やっていてもいつかはやられるのかなっていう雰囲気はあった」

 逆転は「時間の問題」と香川は感じていた。先制を許してから2分後の9分、オフサイドの判定となったが、オーバメヤンがネットを揺らした。

 ドルトムントは中央にはこだわらず、大外を使って攻め立てた。長谷部は「選手が次から次に裏に走ってくる」と言う。付ききれない。防戦一方だった。

 25分の左サイド。フンメルスから、オーバメヤンが「裏に」抜け出す。折り返す。ファーサイド=ムヒタリヤンが左足で押し込んだ。1-1。

 36分の左サイド。フンメルスから、ロイスが「裏に」抜け出す。折り返す。ファーサイド=オーバメヤンが右足で押し込んだ。オフサイド。

 44分の左サイド。メドジェビッチに倒されたカストロがPKを獲得する。キッカーのオーバメヤンは外したが、前半にドルトムントは何度も何度も決定機を作り出した。

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