ボーンマスのMFハリー・アーター【写真:Getty Images】
現地時間12日に行われたプレミアリーグ第16節でマンチェスター・ユナイテッドを破ったボーンマス。前節チェルシー戦に続きビッグクラブ相手に金星を手にしたチームの中に悲痛な思いを抱えながらプレーしていた選手がいた。英『BBC』が報じている。
ボーンマスのエディ・ハウ監督は試合後の記者会見で、この試合に先発出場したアイルランド代表MFハリー・アーターが週半ばに子供を亡くしていたことを明かした。同選手のパートナーが出産に臨んだ際、尊い命が失われてしまったという。
「彼にとって本当に感情的な1週間だったと思う。それでも堂々と振る舞い、自分をコントロールしていたと思う。様々な気持ちが体の中を渦巻いていただろう。信じられないね」とアーターを称賛するハウ監督。
試合が残り5分を切ったところで交代を告げられたが、直前にイエローカードを受けた場面では感情を爆発させ、目には涙を浮かべていた。終了のホイッスルが鳴ると、アーターとハウ監督は真っ先に抱擁を交わして健闘をたたえあった。
悲劇の直後でも出場を直訴したアーターに対し、先発起用に迷いはなかったと語る若き指揮官は「彼を心から誇りに思う。だが、苦しみが簡単になくなることはないだろう。だからこそ我々が彼を見守ってあげなければならないと思う。そして我々の思いは彼と彼の家族と共にある」と全面サポートを約束した。
昨季はボーンマス史上初のプレミアリーグ昇格に貢献し、今季もチームの中心として計り知れない責任感を見せたアーター。彼の強い思いに刺激されるように、仲間たちも真の力を発揮し始めている。
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