“個”での打開力が重視されるミラン
シニシャ・ミハイロビッチ監督が嘆いたのは、ゴール前の強引さ不足だ。本田をトップ下で使えばこの点でダメ、その代わりに4-3-3もしくは4-4-2システムのもとでチェルチをプレーさせても、芳しい結果を生まなかったということになる。
そしてチェルチがスタメンから外されても、そこに本田が返り咲くことは、少なくともこの試合ではない。ウイングとして起用されたコッパ・イタリアのクロトーネ戦では、突破も出来ずマークも外せず、シュートはことごとくブロックされた。
現在のところミランの攻撃は、2、3人が近い距離で絡み敵陣を崩すというより、ますます個の仕掛けに頼っているという状態である。そして本田は、その中で個で仕掛けてシュートに持っていくというプレーを作れていなかった。さらにサイドでボールを運べないというのなら、余計序列は下がるというものだ。
本田は、パス交換の中でスペースへ動き、前を向いて攻撃に絡むタイプである。ただ今のミランはそうではなく、結局“個”での打開力が重視される。その点でアピールに失敗すれば、今の境遇も致し方がないということなのだろう。
監督やクラブの批判コメントとかそういうことはさておき、ミハイロビッチがダメ出しをする基準ははっきりとしている印象を受ける。
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