ベーシックな組織が洗練されるマゼンベ
前回3位のオセアニア王者オークランド・シティに2-0で勝利し、準々決勝に進出した広島。その試合で野津田岳人、柴崎晃誠、清水航平が負傷退場し、中2日の過密日程で疲労も心配されるが、「出られる選手がやるしかない」という佐藤寿人の言葉通り、アル・アハリに敗れて準決勝を逃した3年前のリベンジを果たしてほしいところだ。
対戦相手となるマゼンベ(コンゴ民主共和国)は2010年に当時の南米王者だったブラジルのインテルナシオナウを破り、欧州と南米の他の大陸で初めてクラブW杯の決勝に進んだアフリカの雄だ。各ポジションに能力的には欧州のトップリーグでも十分に通用しそうなタレントを配している。
またカンヌやマリ代表で指導した経験を持つフランス人のパトリス・カルデロン監督がチームをまとめ、“ブラック・アフリカ”のチームとしてはベーシックな組織が洗練されているのも特徴だ。
特にCAFチャンピオンズリーグ7得点のタンザニア代表サマッタを擁する攻撃陣は個人で局面を打開できる選手が揃い、それぞれ特徴が違うが非常に厄介だ。
4-2-3-1の1トップに万能型FWのサマッタが張り、2列目に変化のある仕掛けを見せるオリムウェング、俊敏な小兵アタッカーのアサレ、長身ウィングのトラオレらが2列目に並び、ダイナミックで自由度の高い仕掛けを繰り出してくる。
広島としては彼らに良い形でボールが入らない様にすることが求められるが、21歳の大型MFディアッラと機動力の高いザンビア代表のシンカラが主力を担うボランチはキープ力が高く、速い縦パスで前の4人を使っていくため、キャプテンの青山を中心とした広島の中盤も起点のパスを封じるのはそう簡単ではないだろう。