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香川真司 9年前

首位通過に「こだわらなかった」ドルトムント 控え組主体での敗戦は失敗ではない

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「決勝トーナメントに行くことが何より大事」

 香川はチームがコンビネーションにおけるイメージの共有、または連動や連携を欠いたことについても触れた。

「必要なのは、クオリティにおいての共通意識だったり、単発で攻めるのではなくて、やっぱりチームでどうやって攻撃していくのかっていうのがすごく大事であってね、そういうところで今日は流動性が全くなかったですし、そういうところはちょっと課題かなと思います」

 しかし「流動性が全くなかった」ことは、スターティングメンバーを見れば無理もないことなのかもしれない。控え組主体の10日の編成は、公式戦において、ほとんど初めての組み合わせである。

 そして33分には、ドルトムントDFの裏に抜け出したマクにヴァイデンフェラーが交わされ、先制ゴールを奪われてしまう。0-1。

「やっぱり上手くいかない中でどんどんと、まあ、自信っていうかね、やっぱり、弱気になっているイメージはあった」

 敗退が決まっているにもかかわらず、PAOKが戦う姿勢を失っていなかったことも、控え選手主体のドルトムントの攻撃が上手く回らなかった一因でもあるのかもしれない。PAOKは虎視眈眈とカウンターの機会を窺い続けた。カウンターコントロールは概ね上手く行っていたが、モチベーションを失わなかったPAOKを前に、ドルトムントは積極性を見せることができなかった。

 ドルトムントはPAOK戦を0-1で落とした。それでも香川が「とりあえず決勝トーナメントに行くことが何より大事」と言うように、2位であれグループの突破が決まったことが「何より」評価されるべきことだろう。

 次のステージへの進出を決めたことと、中2日で国内リーグのフランクフルト戦を迎える状況であることを考えれば、ELグループC最終節でのトゥヘルのメンバー編成は、概ね上手く行ったのではないだろうか。

【了】

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