「代表はクラブチームみたい」「Jリーグは今のやり方じゃダメ」
大久保が3年間で67ゴールを固め取りし、圧倒的な決定力を示していてもハリルホジッチ監督と日本サッカー協会は彼を招集しない。強引に若返りを推し進めようとしているからだ。
その方向性も分からなくもないが、彼は目下33歳。2018年ロシア大会の時は36歳で、ドイツ代表のミロスラフ・クローゼ(ラツィオ)やコートジボワール代表のディディエ・ドログバ(モントリオール・インパクト)も同年齢で大活躍している。大久保にもこうした存在になれる可能性が十分あるのだ。本人にもそういう強い自負がある。ゆえに「代表には世代交代なんかない。今、いい選手を使わないといけない」と苦言を呈するのだ。
「今は代表が1個のクラブチームみたいになっているよね。抜擢した選手がガーンと来れば、ハリルさんは『こいつは俺は育てたんだ』と言えるし、そういう喜びがあるかもしれない。だけど、代表ってそういうところじゃない。もし海外に行って選ばれるんだったらまた行くよ。まあ難しいけどね」と彼は苦笑いしつつ、今の流れを疑問視していた。
ハリルホジッチ監督は12月2日、5日のJ1チャンピオンシップの際、「Jリーグはテンポが遅いし、アグレッシブさが足りない」と発言。国内リーグのレベルアップの必要性を口にした。その考えが海外組重視の背景にあるのだろう。そういう考え方に大久保も多少なりとも理解は示したものの、強豪国の真似だけしていても本当の成長にはつながらないという確固たる信念は持っている。
「Jリーグのレベルを上げたいなら、今のやり方でやってたらダメやと思います。日本はすぐ他の国の真似をしようとするけど、日本のやり方でやったらええ。サッカーの特徴も違うんだから。フランスもイタリアもスペインも選手の特徴やスタイルは違う。『ドイツのやり方でやろう』とかそんなの絶対いかんし、離される一方だよ。向こうの方が進んでるんやから。参考にする分にはいいけど、『日本はこうなんや』ってものを、自信持ってやらないといけないよね。
フォルランも言ってたけど、日本人ってみんな走って頑張って規律を守っていう特徴がある。外国人にはそれがない。実際、フォルランも大変だったと思うけど、外国人が日本に来て活躍するのはすごく難しい。そういう良さや強みをきちんと理解して、レベルアップを考えていかないと現状はよくならない。俺はそう思いますよ」