3年連続J1得点王の大久保が日本代表を一刀両断
2015年の日本代表は1月のアジアカップ(オーストラリア)準々決勝敗退に始まり、指揮官交代、2018年ロシアワールドカップ2次予選での停滞、東アジアカップ(武漢)最下位と本当に苦しみ抜いた1年だった。
得点者を見ても、本田圭佑(ミラン)の10点が最高で、岡崎慎司(レスター)が7点、香川真司(ドルトムント)が4点と依然として3枚看板への依存が顕著だ。宇佐美貴史(G大阪)が2点、武藤嘉紀(マインツ)と原口元気(ヘルタ)が1点ずつと若手アタッカー陣はまだまだ発展途上と言っていい。
2013~2015年にJリーグ3年連続得点王の偉業を達成した大久保嘉人(川崎F)は「コンスタントに点を取れる選手は90分間、頭を休ませてない。常に考えながらやっているかどうかが成否の分かれ目」だと断言する。
「マインツで2シーズン連続2ケタゴールを取ったオカ(岡崎)もそうだけど、足が遅いし背もちっちゃいから、どうやったら点を取れるかどんな時も考えてる。それを切らさず90分やるのはホントに疲れるけど、やり続けるしかない。若い選手はそういう準備ができてないんじゃないかな。自分の技術だけで押し切ろうとしてるけど、それじゃあダメだから。
宇佐美に関しても、今季序盤の勢いはすごかった。だけど俺は『そのうち落ちてくるから』と言い続けてた。点取り屋は研究されるし、自分に物凄いプレッシャーがのしかかる。それでたいがいの選手に伸び悩む時期が来る。過去2年間を見ても豊田(陽平=鳥栖)や千真(渡辺=神戸)がそうだったけど、今年の宇佐美もそうなってしまった。
そうやってズルズル行かないためには、何よりメンタルが大事。『絶対取るんや』っていう強い気持ち。それと、さっき言ったように頭を休ませてちゃいけない。シーズン終盤にガンバと対戦した時の宇佐美は、ボールが出てきた時に止まってた。
1人引きつけて動けば相手は置き去りになるし、1人抜いたことになるのにそういう動きをしてなかった。ゴール前にも行ってなかったね。点が取りたけれはそうするでしょう。もちろん宇佐美だけじゃなくて、そうなっちゃう選手は多いよね」
大久保は日本人FW陣の問題点をズバリ指摘。若手を力強く鼓舞していた。