PAOK戦は消化試合にあらず
8日のトレーニングでは、メニューの大半をロンドが占めた。シンプルに9人で円を囲んで中に鬼が2人入るものもあれば、ビブスで色分けをして鬼とフリーマンが入るものなど、バリエーションは豊富である。
プレッシングとポゼッション、切り替えの質を高めていくという意味で、効果的かつ効率的と言えるだろう。ロンドのメニューの多彩さが、トゥヘルのサッカー=BVBの進化の可能性なのだ。
そしてミニゲームでは、レギュラー組とサブ組とをきっちりと分けない。赤ビブス組には、ロイス、オーバメヤン、ホフマン、フンメルス、スボティッチといったメンバーが入り、ビブス無し組には、ラモス、ムヒタリヤン、香川、バイグル、ベンダーといった選手が入った。やはりトゥヘルは、BVBを1つのチームとして進化させようとしているようだ。
ゲームの中では、中盤の香川から、ゴール前の左のミキタリヤン、ミキタリヤンが折り返してラモスがゴールを決めるという一連の流れを見せた。多彩なロンドをこなしていく中で、連携はより深まっているようである。
練習は実戦のために行われる。そして実戦と練習の相互作用が、さらなる進化に繋がっていく。そう考えれば、消化試合のようにも捉えられるPAOK戦もまた、貴重な実践の場となる。
ELグループリーグの最終節を通して、ドルトムントは来季CLへの軌跡をより確かなものとしていくだろう。
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