香川の劇的ゴールから3日。練習場はポジティブな雰囲気
香川真司の「劇的過ぎる」ゴールから、3日が経った。2015年12月8日、ドルトムントのブラッケル練習場は、春のような陽気に包まれている。ボルフスブルクでの死闘の跡はどこにもない。10日にはヨーロッパリーグ(EL)のグループC最終節、PAOK戦が控えている。既にボルシア・ドルトムントは、新たなスタートを切っていた。
対ボルフスブルク戦の勝利の後で、監督トーマス・トゥヘルは「次の木曜と日曜のホーム2連戦でさらに進化し続けなければならない」と語った。ELは現在グループCで2位だが、既に決勝トーナメントの進出は決まっている。対するPAOKは敗退が決まっている。ドルトムントはPAOK戦を終えて、他会場のクラスノダールを勝ち点で上回れば、首位突破が決まるという状況だ。
敗退決定済みの対戦相手からの勝利はもちろんのことだが、監督トゥヘルは13日のフランクフルト戦も含めて、今回の「ホーム2連戦」でチームを引き続き進化させようとしている。ボルフスブルクを下して勝ち点を35として、3位ボルシアMGとの差は9となった。
目下のところドルトムントは、来季のチャンピオンズリーグ(CL)に向かって順調に航海を続けている。それでも指揮官の進化への意欲が衰えることはない。8日の正午過ぎからは、トレーニング開始を前にトゥヘル自らが練習場にポール等の用具を設置して、下準備を進めていった。そうした率先する姿勢がまた、選手達の信頼を集めるのだという。
開始からトレーニングの雰囲気は明るい。もちろんボルフスブルク戦でベンチスタートした選手や、胃腸炎で遠征に帯同できなかった選手は、スタメン落ちした香川のように悔しさを秘めていてもおかしくはない。
しかし、アディショナルタイムの勝ち越し弾を香川が「みんなの力で取ったゴール」とも言い表したように、チームを全体として捉えれば概ねポジティブに前に進んでいる。ロンド(鳥かごと呼ばれるボール回しのトレーニング)では、明るい声が響いた。