日本で過ごした4年間は特別だった

――あなたはどんな資質が監督にとって最も重要と考えますか？

トルシエ　技術・戦術や戦略、マネジメントは、チームが試合に勝つための重要な選択肢だ。特に技術と戦術は肝となる要素だ。監督は勝たねばならず、優れた監督とは勝つ監督だ。選手に情報を伝え、選手の信頼を得ねばならない。つまり選手が、何が目的かを具体的に理解し、それにどうすれば到達し、何をすべきかを理解していなければならない。

　監督は戦略家だ。マネジメントとは、試合中の最も適した瞬間に適切な選手を選べるかどうか。最高の選手を選び、勝つために彼らに解決策を与えることだ。そこから先には例えばコミュニケーションがあるが、コミュニケーションはそこまで重要ではない。

――日本で過ごした4年間を、今はどう思っていますか？

トルシエ　特別な4年間だった。ワールドカップでは、すべての役者が揃って共演した。政治家もメディアも観衆も、全員が混じり合ってまるで富士山が爆発するような本物の噴火だった。その中で私も大きな役割を果たした。幸福だったし、人生の最盛期でもあった。チームを準備する段階で、小さな障害にぶつかったこともあったが、常に背後から厚いサポートを受けていると感じていた。

――個人的にも誇りに思っていますか？

トルシエ　日本は私とともにワールドカップで最初の勝ち点を獲得し、最初の勝利も得た。16強にも進出した。それが日本の歴史であり、同時に私の歴史でもある。ワールドユース準優勝やアジアカップ優勝もそうだ。フラット3のシステムと、攻撃的でスペクタクルなサッカーで、日本サッカーの歴史にページを刻めたのは大きな誇りだ。

――このたびは『サカつくシュート！』に登場しますが、自分が監督としてゲームのキャラクターになることをどう思っていますか？

トルシエ　それもまた大きな名誉だ。2015年の今日でも、私のイメージが日本でまだ根強いことの証明であるからだ。しかも若者向きのゲームで、私を具体的に知らない若者たちがプレーをする。彼らと同じ時間を共有できるのは、私にとっても喜びだ。

――あなたをキャラクターとして使ってプレーする人たちにメッセージを。

トルシエ　トルシエ監督は常に勝つためのメソッドを持っている。どんな問題に直面しても、勝つための解決策は必ずみつかる。だからどういう展開になろうとも、自らの勝利を信じられる。これは私が選手たちにもずっと与え続けたメッセージだ。

――どうもありがとうございました。

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